読書の記録

読んだ本について、ゆるーく書いていきます。

学校の当たり前をやめた

 

こんにちは。

大阪では雪がちらつくだけでも珍しいということを聞いて、帰省の時にひたすら雪が積もっている写真を撮り見せびらかしている今日この頃です。

(都会に出ても割と田舎に良さを感じる)

さて、今日は教員を目指している人、目指していた人、目指そうか迷っている人に是非読んでもらいたい本を紹介します。

「学校の当たり前をやめた」

 

 

はじめに

この本は工藤勇一さんが書いた本です。

高校、中学と色んな所で教員、校長を務めている方です。

先に言っておきますが、この方はかなり革新的で、保守的な人が多い(そうならざるを得ない)教員の世界では珍しいタイプの人物です。

現在教員をしている方たちが読んでも面白い本だと思っております。

 

さて、この方がいる学校では、今まで当たり前に僕たちが取り組んできたものがありません。

なんだと思いますか?

 

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それは、

・宿題

・定期試験

・固定担任制の廃止

・頭髪服装検査を行わない

というもの。

 

なんでこんなに革新的なことをしてるのか。

それは学校がどんな場所なのかという目的が少し他者と違うから。

(原点に立ち返っていると著者は捉えています)

時代の変化に乗り遅れていると思われがちな学校教育の当たり前を一つずつ変えていき、子供の成長を感じる喜びを各所に散りばめている一冊です。

  

内容

学校は、勉強をするための場所?

いやいや、その先を見据えた社会の中でよりよく生きていけるようにするための場所。

(謳うのは簡単だが実際そこにフォーカスすることは難しい)

 

そのためには自分で考えて、自分で判断して、自分で決定して、自分で行動を起こせる「自律」を身につけさせていく必要がある。

(律するの方ね)

 

教員の取り組み、言葉で子どもの起こせるアクションは変わってくると言うことが本書では書かれています。

おそらく、僕の記事を見てくれる人の中には教員をしている人、教員志望の人が比較的多いので理解できる部分も多いかと思います。

 

このことを本書で具体的に挙げている部分として、学校でよくある「みんな仲良くしなさい」という言葉。

例えばこれが、コミュニケーションを取ることが苦手な生徒からするとどう思うのか?

例えば、仲良くしたいと思っていてもその場に入れない子からすればどうなのか?

教員(指導者)の言葉に対応できない子どもはそのステージに立つことができないから遅れていってしまう。

そして、集団生活である学校ではそういった少し遅れてしまっている生徒に手厚く指導はできないし、むしろそのステージにこれない生徒は悪として扱われることが多いのが現実。

工藤先生は、「人と仲良くしなさい」ではなく、「人と仲良くすることは難しいこと」を教えるのが先だと伝えている。

(実際、大人になっても付き合える友人や親友と呼べる人はせいぜい2.3人)

(関係性を築く難しさを教えられなくて、指導者の立場にはなれない)

 

 

コラムとして

僕は今、発達障害のある子どもと日々関わらせていただいています。

やっぱり健常の子(定形発達と呼ばれる)と比べると、できないことや遅れていること、まだまだ知らないことがたくさんあるため、それが通常学級でハンデとして扱われることも理解できます。

ただ、グレーと呼ばれる子はそんな中でも健常の子と一緒に生活することが多く、理解されなかった場合は教員から問題児扱いされるか、特に目立たずに大人しい(殻にこもっている)から逆に問題のない子と評価されてしまっているケースも実際にあります。

そういった子への理解があるだけでも、教員としての幅はもちろん、人としての幅は広がると今は考えています。

これから教員を目指す人は良い授業を作ることだけを目的とするのではなく

(これは教師の自己満)

本当に生徒の本質を見抜ける人材を目指すことが一番なのではないかと思います。

(一応教員も目指してますので)

生きづらいと思ってしまう要因は、周りから理解されないということ。

一見すると普通の子に見えてしまう発達障害のある子について理解を深めるというのは表面上の道徳教育をするよりもよっぽど勉強になると思います。

そういった生きづらさを抱えている子が通常学級にもいるということを教員の方々は考える必要があり、そこに適した指導ができてこその「合理的配慮」だと思います。

(勝手に思い込んでいます)

 

 

さ、内容に戻ります。笑

教育現場だけでなく、社会でもよくみられる現象の一つに、手段の目的化というものがあります。

簡単に言うと、目的が不明確になりすぎて取り組むことが目的になってしまっている状態です。

自分も含め、目標を設定するということが苦手という人は多いのではないでしょうか?

形ばかりの新年の目標を3学期の頭に書いて、一週間もすれば頭からもう抜けているという経験は誰しもがしたことあるはずです。

(僕だけだったら全力で謝ります)

 

何が言いたいかって、従来の学校生活ではことあるごとに目標を書きすぎて、それがただの作業になってしまっていると思うんです。

その結果、本当の意味での目標設定ができないということや、目標が決まらないからなんといなく毎日をこなしているというのが見て取れます。実際、自分はバスケがあったからよかったものの、打ち込むものがなければ毎日なにをしていたか想像もできません。

(情熱を注げるものはスポーツ以外にもあるということはわかっています)

(決して帰宅部の人を馬鹿にしているわけではありません)

 

「目標←目的←手段」 

一番に目標を立てないと、そこから逆算して目標を達成するためにやるべきことは見つけることができないと思います。

長くなりましたが、これが手段の目的化が起こってしまう要因なのではないかと

僕は考えています。

※目標は夢、目的は何のためにor目標への道筋、手段は達成するためにするべきことと考えてもらうとわかりやすかかなと思います。

 

総括

 当たり前を見直すことことこそ、意識を改革することや、周りの環境を改革することの第一歩ということが丁寧に書かれている本書。

決まり事や、今までそうだったからという固定概念の中にいては柔軟な考えや発言はできなくなってしまいます。

変化の激しい時代の今だからこそ、保守的な考えだけでなく、革新的な考えも持てる人になりたいと切実に感じることができました。

 

そして、本書を読んで改めて僕と同年代で教壇に立っている人を本当に尊敬しています。

また、大学を卒業して春から先生をしようと思っている人たちも先輩後輩に関係なく尊敬しています。

僕は、大卒ですぐ先生になっても何も伝えられないと思って経験を積むことを優先したからです。

ただ、結局言えるとこは、どの道に進んだとしてもどれだけ自分に付加価値をつけられるかということ。

付加価値をつけるためには、自分にできる+αを身につける。

そのためには勉強することと、経験を積むことしかない。

点を作って線につなげる作業を繰り返していくしかない!!

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!

今回の本は学校関係者だとより参考になる部分が多い本だと思います。

他業種を知るという観点では、皆様にお勧めできる一冊ですのでぜひ読んでみてください。

次回更新予定日1月17日